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【《ピアノを聴く動画》使用ピアノ紹介】第63回ブリュートナー

更新日:4月3日


モデル名:ブリュートナー モデル名 Style7(190.5㎝)

製造年:1920年代製

製造国:ドイツ ライプツィヒ製

張弦方法:総一本張り

フロント側:低音~中音部アグラフ 高音部カポダストロバー

ピン仕様:総鉄骨 オープンフレーム

アクション仕様:ダブルスプリング式アクション(非オリジナル)

ペダル:2本

鍵盤:88鍵(白鍵:アクリル 黒鍵:黒檀 )

外装:ローズウッド(オリジナル外装)

動画URL:https://youtu.be/11BRRrrFZ80 (2024年2月7日公開予定) 撮影協力:東京ピアノマーケット


今回は第1回ぶりのブリュートナーのグランドピアノを収録してきました。

今回も毎度おなじみ東京ピアノマーケット様にお邪魔してきました。

今回の個体は国内では珍しいブリュートナーのアートケースになります。

190.5cmのStyle7というモデルになります。このモデルはカタログ上でブリュートナーの代名詞であるアリコートが搭載されてなく、またアクションがブリュートナーのパテントアクションを搭載したモデルとなっています。

しかし今回の一台は以前外国でオーバーホールを施された個体となっており上記のパテントアクションは改造され現代的なダブルスプリングのアクションへ換装されています。

外見でまず目につくのは六本の太い円柱型の脚と左にオフセットされたメーカーロゴになります。このタイプの装飾は初めて見る一台になります。ロゴがセンターにないピアノと言えば大ピアニストであるジョゼフ・ホフマンの特注で作られたスタインウェイなどが有名ですがブリュートナーでは本当に珍しい一台になっています。おそらく特殊外装の件なども見るにファーストオーナーの特注で作られた一台ではないかなと推察できます。

そんな珍しい外装を持つ一台ですが中身は通常のStyle7と全く同じ仕様になっています。音は典型的なブリュートナーサウンドで暖かく濃厚な音色を聞かせてくれています。

特に最低音から中音域にかけてのコクのある音色はブリュートナーの真骨頂と言えます。

現代的な華美な音のピアノとは一線を画すこの角の無い淡い暖色の音色はこの年代のブリュートナーでしか味わえません。 ただ今回の個体は残念なことにパテントアクションの連結式のものが現代的なアクションに載せ替えられてしまっており楽器とアクションのバランスが何ともマッチしていなくて弾き心地と操作性がお世辞にも良いとは言えず久しぶりに四苦八苦しながら弾いてきました。

正直なところ連結式アクションの楽器の現代アクションへの載せ替え改造は音と操作性のバランスが崩れてしまっている個体が多くやらない方がいいのにと思うことが多いです。 楽器自体の音が非常に良いだけに唯一残念に感じる部分でした。

今回は色々考えさせられましたが希少な楽器を楽しませていただきました。


ブリュートナー

ヨーロッパの神殿のような面持ちの外装。ロゴがオフセットされており外装と合わさり不思議な見た目になっている。


ブリュートナー

特注と思われるオフセットされたロゴ。ロゴ自体は同年代の普通の個体と同じ飾り文字のもの。


ブリュートナー

1900年代初期のブリュートナーのモデルは段差のある鉄骨と丸型の音抜き穴が特徴である。


ブリュートナー

総一本張りにより音の混ざり方がクリアになっている。Style7にはパテントのアリコートは搭載されていない。


ブリュートナー

カポダストロバーの裏側にはアグラフのようなものが装着されており高音部の音の立体感に寄与していると思われる。


ブリュートナー

この年代特有の段差のある鉄骨。このタイプの鉄骨デザインのブリュートナーとしてはモデル末期のものと思われる。


ブリュートナー

ブリュートナー特有のピン板が鉄板によって覆われている。金属板が載っているだけなのでベヒシュタインやベーゼンドルファー同様のオープンフレームとなっている。



ブリュートナー

ブリュートナーのフレームロゴ。


ブリュートナー

珍しいタイプの装飾脚。実際見るとかなり太くて重厚感がある。


ブリュートナー

アクションはダブルスプリングのものに換装されている。土台は連結式アクションのものが使われているのであちこちに連結式アクションの名残が見て取れる。

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