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【《ピアノを聴く動画》使用ピアノ紹介】第65回ベヒシュタイン

更新日:4月21日


モデル名:ベヒシュタイン モデル名 model.1(270㎝)

製造年:1880年製

製造国:ドイツ ベルリン製

張弦方法:通常張弦

フロント側:総アグラフ

ピン仕様:オープンフレーム

アクション仕様:連結式ダブルスプリングアクション

ペダル:2本

鍵盤:88鍵(白鍵:象牙 黒鍵:黒檀 )

外装:ローズウッド(修復外装)


今回は希少なリストが使用していたのと同型のベヒシュタインのグランドピアノを収録してきました。

今回は普段から自宅のピアノのメンテナンスをお願いしているピアノパッサージュ様のご厚意により『西野さんのお好みな楽器が仕上がったのでぜひ弾きに来てください』と言われたので喜び勇んでお邪魔してきました。

今回の個体は1880年製ベヒシュタイン製の平行弦のフルコンサートピアノです。

パッサージュの社長尾崎さんにこの楽器の来歴を伺ったところ、ナントこの楽器以前から自分が知っている一台でした。千葉市の某所にあった楽器なのですが前オーナーの意向で限られた人しか演奏できずこのピアノは年に数度しか使われない楽器でした。自分自身もこの楽器を実際何度か見てはいるのですが結局弾けずにいた一台です。風のうわさでその前オーナーが亡くなり今回放出された個体をパッサージュが買取って徹底的に修理と調整を施した一台になります。

感想から言いますとこの楽器は『最高』の一言に尽きます。この活動をしていると十数台に一台は『バケモノ級』のピアノに出会うのですがこのピアノは完全にそんな一台です。

自分が動画に取り上げるピアノは基本的にかなり厳選しています、この『ピアノを聴く動画』シリーズに取り上げられるだけでも充分名器の資質を持ち合わせているのですがこのベヒシュタインは更にワンランク、ツーランク上を行く楽器です。

音は完璧な紛れもないベヒシュタインの『中立音』。どこまでも混ざらなく透明感を保ち続ける響きは流石の一言です。そして平行弦によって若干低音のボリュームが少なく感じるのですが、その影響か逆にメロディーを司る中音域の音のふくよかさが素晴らしいです。

響きも圧倒的に長くケースの中にコンサートホールがあるのかと思う程残響が残りペダルはほとんど踏まなくてもいいぐらいです。

パッサージュの尾崎社長のこだわりが詰まりまくったアクションも素晴らしく弾きやすいです、門外不出の技術にて140年前のピアノとは思えないほどの弾き心地を体現しています。

このアクションはオリジナルの連結式の構造はそのままに若干の修正と改造を施し驚くほどリニアでかっちりとした弾き心地となっています。そのアイデアの多くは門外不出なので今回写真も掲載できないのが残念ですが気になる方はぜひお店で話を聞いてみてください。

しかもこの楽器は当面の間ピアノパッサージュさんに置いてあり、しかも社長の『しっかり整備されたアンティークピアノを色々な人に弾いてもらいたい。』という意向からお店で有料ではありますが試弾会を開いていますので気になる方はぜひ弾きに行ってみてください。

今回は久しぶりに再会した憧れの人と再会したような気持ちで楽しませていただきました。


ベヒシュタイン

装飾もシンプルだが品のあるたたずまい。譜面台の透かし彫りも20世紀のものとは若干意匠が異なる。


ベヒシュタイン

この意匠のトレードマークは古いベヒシュタインのもの。中央にはプロイセン国王の紋章があしらわれており『皇帝と国王御用達』の一文が添えられている。


ベヒシュタイン

平行弦のフレーム。ケース長は270cmあるが交差弦のピアノに比べ低音弦が短いため現代ピアノに慣れた耳にはボリュームが少なく感じるが実際は何とも言えないズシリとくる音を響かせている。


ベヒシュタイン

ベヒシュタインらしい剝き出しのピン板に総アグラフの組み合わせ。ここだけ見ると20世紀のモデルと大差はない。



ベヒシュタイン

次世代のフルコンサートE型では総一本張りになるのだがこのモデルでは通常の張弦になっている。第28回の記事と見比べるとベヒシュタインの変遷が見れる。


ベヒシュタイン

貴重な当時のデカールと製造番号。この時代のピアノにはデカールと一緒に製造番号が付されているのは珍しくない。


ベヒシュタイン

獅子と翼をモチーフにしたモール。ペダルボックスもベヒシュタイン特有の薄いものになっている。


ベヒシュタイン

非常に小さなダンパー。古いピアノは現代ピアノ程しっかり音を止めないような設計になっている。これも混ざらない響きを持っているからできることである。


ベヒシュタイン

平行弦の低音弦。交差弦に比べ音が混ざらないのは低音弦の駒が中央に設置されていない影響が大きいと思われる。


ベヒシュタイン

シンプルなリラ型のペダルボックス。


ベヒシュタイン

当然この時代のベヒシュタインは井桁型に組まれた支柱を持つ。堅牢なボディが透明感のある音作りに一役買ているのは間違いない。


ベヒシュタイン

エルツ式のダブルスプリグ連結式アクション。他は門外不出の技術が使われているためお見せできないので気になる方はお店に足を運んでほしい。


ベヒシュタイン

ローズウッドの美しい外装。天板の木目も綺麗に揃えられており手間がかかっている。

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