データ
モデル名:スタインウェイ&サンズ モデル名不明
製造年:1893年製
製造国:アメリカ ニューヨーク製
張弦方法:通常張弦(アリコート、デュープレックススケール無し)
フロント側:中音~高音部 プレッシャーバー
ピン仕様:総鉄骨フレーム
アクション仕様:イギリス式アクション
ペダル:2本
鍵盤:88鍵(白鍵:象牙 黒鍵:黒檀)
外装:黒つや消し(修復済み外装)
普段からコンサートで大事に使っている土気のアンティークスタインウェイです。
このピアノとの出会いが自分をアンティークピアノにのめりこむきっかけを作ったといっても良いだろう。
正しく作られたアップライトピアノはグランドピアノとはまた違う趣の音で楽しませてくれることを実感する楽器である。鳴り、音色、弾き心地、見た目と全てが完璧です。
音に関していえば自分が弾いてきた数多のアップライトピアノの中でもトップ3に入る銘器である、自分が大事に管理してきた影響もあるが定期的に弾かれそしてメンテナンスを行っているおかげで年齢を感じさせないピアノです。
音は繊細でありながら非常に華やかです、音の立ち上がりは現代のピアノ程早くはありませんが音の伸びが尋常ではありません!!やはり響板の質が良いのでしょう心地用意響きが延々と続きます、まるでピアノの中にホールがあるような感覚でしょうか・・・分かりづらくて申し訳ないのですが生で聴かないとこの楽器の凄さは分からないかもしれません。
アクションは当時最先端を行っていたメーカーであるスタインウェイ、浅く軽いアクションはコントロール性抜群、早いパッセージでも全く破綻をきたさず、力強い音でも余裕を見せつけてくれます!!
総括としてはアップライトの概念を超えた究極の一台と言えるでしょう、効率重視の現代ではまず作れない贅沢を極めた銘品です。 アップライトの真価が知りたい方は是非一度、土気のエクラドールさんにお越しください!
非常に美しい装飾を奢られた一台、前面の透かし彫りから音が抜けて聴こえるので演奏者はダイレクトに音に包まれる感覚になる。ピアノが一般人には買えないものだった時代なのでその外装の凝りようは今とは比べ物にならない、金持ちの家の調度品の役割も果たしていたので美しくないピアノは売れないのである。これが全て職人の手作業で彫られている。
ただ一つ残念なのは鍵盤蓋のロゴが当時のものでないことだけが悔やまれる。普通の人はそんなとこ気にしないのだが(笑)
中のアクション、楽器本体が大きいのでハンマーの位置がかさ上げされている。このスタインウェイのアクションはメンテナンスも行き届いており、とても軽く連打性も申し分ない。
製造番号下のEBONIZEDの表記はこのピアノが元から黒塗りピアノであることを表している。この時代のスタインウェイはローズウッド外装と黒塗りが選べた。
中音域からのプレッシャーバー(弦を抑えている銀色のパーツ)がスタインウェイらしい音を作るのに一役買っている、
この時代のピアノは王家や貴族に納入されることが最高のステータスであり、各メーカーが授与された勲章やメダルを誇らしげに表示していた。
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