【《ピアノを聴く動画》使用ピアノ紹介】第40回ベヒシュタイン(アップライト)

データ

モデル名:ベヒシュタイン モデル名 model.10(127cm)

製造年:1927年製

製造国:ドイツ ベルリン製

張弦方法:平行弦の通常張弦 

フロント側:総アグラフ

ピン仕様:オープンフレーム

アクション仕様:連結式アクション

ペダル:2本

鍵盤:85鍵(白鍵:象牙  黒鍵:黒檀 )

外装:艶消し修復外装

動画URL:https://youtu.be/H8B-NxOCyls (2021年7月7日公開)

収録協力:東京ピアノマーケット



今回は埼玉にある東京ピアノマーケットさんにお誘いいただき平行弦のベヒシュタインピアノを収録しに行ってきました。

今回収録のモデル10は平行弦の旧式アップライトの最後期のものになります。

1830年代にはフランスのアンリ・パップがアップライトピアノの交差弦を発明します。それ以降アップライトピアノは交差弦が主流となっていきます。19世紀後半でもイギリスのジョン・ブロードウッド等では平行弦のアップライトを製作していましたが1800年代後半の時点ですでに過去のものになりつつある設計でした。なので今回収録したこのピアノは19世紀中ごろのアップライトピアノの音色を色濃く残したものになっています。

弾いてみてすぐ感じたことは音の透明感と混ざり方が交差弦のモデルとは全く違います。交差弦に比べ低音側の弦が当然短いので低音の鳴りは控えめで全体の鳴りのバランスが中音域から高音域に寄っている印象です。音色はベヒシュタイン特有の艶やかな珠の様な音で音の立ち上がりが早く鳴りも小型とは思えないような立派なものです。

アクションは連結式のオリジナルが小気味よくベヒシュタインの軽やかな音質と相まって非常に気持ちよく弾けます。

貴重な楽器を短い時間でしたが存分に楽しませていただきました。


ベヒシュタイン

非常にシンプルな外装。外からではこの楽器が平行弦とは分からない。


ベヒシュタイン

ベヒシュタインの標準的なフレーム。オープンフレーム、総アグラフとベヒシュタインらしい特徴が見て取れる。左側の低音弦が真下方向に張られているのが分かる。


ベヒシュタイン

木製のアクションレールの連結式のアクション。鍵盤とメカ部分が木の台座とネジで連結しているのが分かる。整備性の悪さから廃れてしまったが個人的には連結式アクションの方が反応がリニアでコントロールしやすく感じる。


ベヒシュタイン

フレームに刻印された10の文字がこのピアノがモデル10であることを物語っている。ピン板が剥き出しで高音域にアグラフが採用されているのも旧式ピアノの特徴でもある。


ベヒシュタイン

下前板を外すと平行弦が良く見える。鉄骨も簡素で非常に武骨な印象。ここだけ見たら19世紀のピアノにしか見えない。

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