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ピアノ講座第6回【ピアノ製造方法を見てみよう】

更新日:2020年10月13日

色々なピアノメーカーのメイキングムービーからピアノの製造方法を注目ポイントの解説付きで見てみましょう。

1.スタインウェイ

スタインウェイの製造での見所は何と言っても前回解説した一体成形リムです。動画では1:08~2:30のところになります。

そしてそのリムを最大限生かすように響板が隙間なく収められています(3:38あたりから)。

5:17辺りに写っているものがスタインウェイ独自の管状アクションフレームです。




2.ベーゼンドルファー

ベーゼンドルファーの見所も同様に2:24あたりからの井桁上の支柱構造やリム製作があります。1:15に僅かな間写っている細かい切れ目が入った木材が2:42でのリムの木材です。ベーゼンドルファーはこの切れ目を使って木材を曲げ出来た隙間に楔をはめ込む処理をしています。そしてリムがスタインウェイに比べてかなり薄いのが分かると思います。

全体を通してかなりの工程が手作業であることが分かると思います。




3.シュタイングレーバー

個人的に今最も注目しているピアノメーカーのシュタイングレーバーです。

まず何より驚くべきことは未だに100年前と同じ方法でピアノを作っています。それは工場の中にほとんど近代的な工作機械が無いことからも分かると思います。

0:08はハンマーを取り付けるシャンクという部品の選別シーンです転がした木の音で高音用、中音用、低音用と選り分けています。

そして最大の見所は1:44からの響板製作現場です、響板に砂を撒き駒を叩いて全ての音域で振動が綺麗に伝わっているか職人が砂の動きで判断しています。削っては砂を撒いて確認してを繰り返し一台一台最適な響板を作っています。

4:06にある白いピアノは実際にリストが弾いた120年前のシュタイングレーバーです。




4.メイソン&ハムリン

ボストンにあるアメリカ最古参のメーカーであるメイソン&ハムリンです。基本的な製造方法はスタインウェイに近いのですがここでの見所は3:42からの内リムと支柱製作にあります。スタインウェイでは響板を固定する内リムと外装にあたる外リムを同時に張り合わせて製作していましたが一般的な製造方法のメイソン&ハムリンでは別々に製作して5:00からの工程でドッキングさせています。5:38にはメイソン&ハムリンの代名詞テンションレゾネーターを見ることが出来ます。

流石アメリカのベーゼンドルファーと言われるだけありかなりの工程が手作業によって行われていますね。




5.ザイラー

ドイツの老舗ザイラーのメイキングです。

2:44からの木材の選定のシーンは最大の見所です。ピアノに使われる木はこういった一流の木こりによって選ばれた木材なのが分かると思います。またザイラーの工場は比較的機械化が進んでいますが肝心の部分では職人による手作業が行われているのが見て取れると思います。残念ながら現在ザイラーは韓国資本に買収されてしまい名前は残っているが全く別物のピアノになってしまっています。




6.大橋ピアノ

かつては国産にもこういった手作業のピアノが少なからずあったのですが今ではもう虫の息状態です。製造工程とは違うのですが参考にどうぞ。




7.ヤマハ

最後に量産ピアノの代名詞ヤマハを見てみましょう。ほぼ全てがオートメーション化されており手作業によるところがほとんどありません。ヤマハの安さはこういった人力の排除によって作り出されたものなのです。価格が全然違うので今回紹介したメーカーと比べてはいけないのですが木材をシーズニングして熟成させる工程がほぼ無いのも分かると思います。

自分なんかはこれを見ちゃうとヤマハのピアノって高いな~と思ってしまいます。



ピアノのメイキングいかがだったでしょうか?皆さんが使っているピアノはこうやって作られているのです。そして自分が手造りピアノを好きな理由もこれを見ていただけたら分かっていただけたかと思います。今回は紹介しませんでしたがYouTube上には他にベヒシュタインやブリュートナー、ファツィオリ、カワイ等もメイキングを上げていますので是非ご覧になってみてください。

さぁ次回のピアノ講座はピアノの維持管理について学んでいきましょう。

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