データ
モデル名:フォイリッヒ モデル名 model.8(128㎝)
製造年:1928年製
製造国:ドイツ ライプツィヒ製
張弦方法:総一本張り
フロント側:低音部 アグラフ、中音部~高音部 プレッシャーバー
ピン仕様:総鉄骨
アクション仕様:イギリス式アクション
ペダル:2本
鍵盤:85鍵(白鍵:象牙 黒鍵:黒檀)
外装:黒艶(オリジナル外装)
自宅に所有している遊び用のサブ機です。
第9回で取り上げたシュタイングレーバーの選定時にたまたま出会って衝動買いしてしまった一台。フォイリッヒは1851年にブリュートナーと同じライプツィヒで創業した老舗メーカーです。戦前はドイツを代表するメーカーで専属アーティストがいるほど有力なメーカーでした。そんな往年のフォイリッヒがとんでもない破格で売りに出ていたので飛びついてしまったのです(笑)
流石に普段からこんだけ色々なピアノを見ているので安いだけでピアノに飛びつくほど阿呆ではありません、まず音が素晴らしくしかも消耗品がほとんど交換されていたのに外装が当時物のオリジナルなのが決め手になりました。
音は流石の往年のフォイリッヒ素晴らしく朗々と歌うピアノです。鳴りではなく音色で勝負する楽器です、信じられないほど音の伸びと残響が素晴らしく低音も弦の音ではなく響板が鳴り響き高音は木目調の柔らかい音が出ます。
アクションも軽く柔らかな弾き心地、伸びの良い楽器の鳴りが弾き心地を更に良くしているような感覚を覚えます。
総評としてはまるでテノール歌手の様な鳴りがするピアノです、国内では非常にマイナーで破格で取引されていますがはっきり言って音は有名外国メーカーの物と遜色無いどころかむしろ良いぐらいです。是非読者の皆さんもブランド名に騙されることなく音で楽器を見極めてください、そうすればいい楽器に一杯出会えるようになりますよ。
お洒落なモールが付いたシンプルな外装。一番小型のアップライトだが音作りに妥協は一切無い。屋根が半開になるようになっている。外装は未修復なのでかなりくたびれている。
くたびれた外装とは裏腹に完璧に修理されている中身、この楽器購入の決め手の一つ。作り自体は非常にシンプルである。
フォイリッヒのトレードマーク。この年代の楽器としては珍しくこれ以外装飾が一切無いシンプルなデザイン。
総一本張りの弦。響板も非常に状態が良い。
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