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【《ピアノを聴く動画》使用ピアノ紹介】第4回シュベヒテン

更新日:2021年9月15日

データ

モデル名:シュベヒテン モデル名不明(210cm)

製造年:1925年頃

製造国:ドイツ ベルリン製

張弦方法:通常張弦(アリコート、デュープレックススケール無し)

フロント側:低音~次高音 アグラフ、高音部 カポダストロバー

ピン仕様:オープンフレーム

アクション仕様:不明(恐らくエルツ式アクション)

ペダル:2本

鍵盤:88鍵(白鍵:象牙 黒鍵:黒檀)

外装:黒(オリジナルかどうか不明)


ピアノマニアの友人に紹介され群馬県の車でしか行けないようなとある工房へ、所狭しと物の置かれた倉庫兼工場に一台の異彩を放つピアノそれが今回のお目当てのシュベヒテンでした。

まずは超簡単にシュベヒテンピアノについてシュベヒテンは1854年にベルリンにゲオルグ・シュベヒテンによって創業されたメーカーで、 1925年までは製造を続けていたようで、現在は中国のピアノ会社がシュベヒテンの名でピアノを作っていますが全くの別物です。

はっきり言ってこのメーカーは情報がほとんどありません特に廃業年が不明で恐らく第2次世界大戦の頃には無くなっていたのではないかと思います。

国内では非常に品質が高いピアノとして戦前にわずかな量ではあるが輸入されていたようで自分も国内で7台の現存を確認している、しかしグランドは超稀少で今回の個体を含め2台しか国内では確認できていない。

まずざっと見てみての感想は『非常にベヒシュタインに似ているなぁ』と思いました、同じベルリンに工房を構え操業もたった一年違いなのだから少なからず影響は受けているでしょう、ざっとピアノを見た後に弾いてみるとこれまた驚きが『音の質感がまるでベヒシュタイン』みたいだったのだ!!立体感がありどこまでも音が濁らないのである、ダンパーを開放して和音を鳴らしても嫌な混ざり方がしない、まさにベヒシュタインと同じ音作りなのである。ただ全部が全部一緒ではないベヒシュタインが珠の様な艶やか音なのに対しシュベヒテンはあくまで穏やかな木の音なのである、アクションも戦前のピアノらしい軽快で小気味よいのでショパンやドビュッシー、スクリャービンなどを弾いて楽しませてもらった。


シュベヒテン

非常に珍しい譜面台の透かし彫りの模様。ロゴのフォントもベヒシュタインに似ている。


シュベヒテン

ベヒシュタインと全く同じ形状のフレーム、その差は高音部のカポダストロバーだけである。


シュベヒテン

カポダストロバーを後ろから見たもの、分かりずらいがカポの裏側にアグラフのようなガイドがついておりカポとアグラフのハイブリット形状をしている。駒も膨らみのある独特な形状をしている。


シュベヒテン

天板の支え棒にも装飾がされている、非常に美しい蝶番。

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