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【《ピアノを聴く動画》使用ピアノ紹介】第56回ガヴォー

更新日:2023年4月30日


モデル名:ガヴォー モデル名 モデル1(152㎝)

製造年:1933年製

製造国:フランス パリ製

張弦方法:交差弦 通常張弦

フロント側:低音~中低音 アグラフ、次高音~高音 カポダストロバー

ピン仕様:総鉄骨

アクション仕様:シュワンダー型シングルスプリング

ペダル:2本

鍵盤:88鍵(白鍵:象牙 黒鍵:黒檀 )

外装:ローズウッド オリジナル外装

動画URL:https://youtu.be/24dlzgbH024 (2023年4月5日公開予定) 撮影協力:東京ピアノマーケット


今回は前回のE.グリーグのイースタイン収録と合わせて同じタイミングで入荷したガヴォーの小型モデルを収録してきました。

ガヴォー自体は三度目の登場ですのでメーカー自体の解説は第44回を参照してください。 ガヴォーは国内では三大フランスピアノの中ではマイナーなメーカーではありますが自分のこの『ピアノを聴く動画』シリーズの中ではそこそこ登場しておりそんなに珍しいメーカーでもありません。しかし今回のガヴォーは1933年製でありながら完全なサヴァイバー個体。弦、ピン、ハンマー、外装すべてがオリジナルのままという奇跡的な一台。

流石にダンパーはへたって止音性能は弱く、弦も瑞々しさなく、弦やピンはところどころ錆が出ており、外装は艶もない状態ではありましたが流石にこの年まで大事に使われていた楽器特有の得も言われぬ音を醸し出しておりました。

ダンパーの止音が弱まっているのがかえってフランスピアノ特有の香り高い音色を増長させており一面に香水を振りまいたような芳醇な音を振り撒いておりました。

アクションも正直だいぶガタついてはいましたが演奏するのに支障はなくいかにこの楽器が長年大事に扱われてきたのかうかがい知ることができます。

この楽器は正直、オリジナル状態で100年近く経っており各部品限界ギリギリのところにきているとは思います特に弦がもう耐用年数ギリギリの雰囲気で張りがなくいつ断線してもおかしくない状態です。次のオーナーはもう決まっており取りあえず現状の状態で楽しむようですが近くない将来に消耗品交換は必須になると思われます。なので今回はとても貴重な完全オリジナルの楽器を体験できたのはいい経験になりました。



ガヴォー

艶が無くなってしまっているが本来は美しい木目の楽器だったと思われる。


ガヴォー

割とオーソドックスなフレームデザイン。オシャレなロゴの音抜き穴のプレイエルや旧式然としたエラールに比べるとこれといった特徴を見つけることはできない。


ガヴォー

高音部には一体型のデュープレックス・スケールが採用されている。ここは同年代のプレイエルやエラールよりも現代的なガヴォーの特徴の一つである。


ガヴォー

ピン周りの設計も現代的なアグラフとカポの組み合わせである。ピン板もフレームに覆われておりここもプレイエルやエラールとの違いが見て取れる。


ガヴォー

井桁風の支柱。ベーゼンドルファーに似た雰囲気を感じる。


ガヴォー

シュワンダー式のシングルスプリングアクション。オーバーホールされている個体が圧倒的に多いアクション部でフェルトに至るまですべてオリジナルの奇跡的なコンディション。


ガヴォー

流石のフランスピアノ製造番号の見せ方までオシャレである。

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