【ピアノ演奏温故知新】第14回アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル

【ピアノ演奏温故知新】では過去の偉大なるピアニストとその奇跡的なピアノ演奏を数多くご紹介していきます。

第14回はモスクワ音楽院3大ピアノ教授の一人でトルストイの親友でもあった『アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル』をご紹介します。



アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル(1875~1961)

ルービンシュタイン

略歴

1875年現モルドヴァのキシニョフに生まれる。

モスクワ音楽院でラフマニノフの従兄でリストの高弟であったアレクサンドル・シロティと当時最も偉大なピアニストだったパーヴェル・パブストにピアノを師事。作曲セルゲイ・タネーエフアントン・アレンスキーミハイル・イッポリトフ=イヴァーノフに学ぶ。

1904年モスクワのフィルハーモニア協会学校で教授を務める

1906年から母校モスクワ音楽院で教鞭をとる。1922~24、39~42年には同音楽院院長を務める。

1932年モスクワ音楽院の付属組織『特別児童グループ』のちの中央音楽学校を設立。ソ連・ロシアの音楽教育の基礎を築く。

1946年功績を称えられソ連邦人民芸術家を授与

1961年心臓発作により亡くなる。(享年86歳)

貴重なゴリデンヴェイゼルの動画

ショパン:前奏曲 嬰ヘ長調 Op.28 No.13

(使用ピアノはベヒシュタイン)

演奏スタイル

ゴリデンヴェイゼルの演奏の特徴は非常に自然でリラックスした演奏にあります。モーツァルトやベートーヴェンの古典派から同時代のスクリャービンやラフマニノフ、メトネルまで技術や感情を前面に押し出すことなく端正に歌い上げ非常に素朴で味わい深い演奏をします。曲の様式や構造を完璧に把握し、非常に丁寧に組み上げその枠から全くはみ出ることのない知的で堅牢な音楽作りと言えます。

レパートリーは非常に広くモーツァルト、ベートーヴェン、ショパンやグリーグ等を録音に遺していますがやはり何と言っても自国のロシアの作曲家チャイコフスキー、アレンスキー、ラフマニノフ、スクリャービン、メトネル等で数々の名演を遺しています。

ゴリデンヴェイゼルの定評あるモーツァルト

モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 KV.466

同時代の人物による評価

サミュエル・フェインベルグ(ピアニスト、作曲家)

彼は非常に幅広いレパートリーを持っていました。ゴリデンヴェイゼルの技術と芸術性の偉大さは、多様なスタイル、それはモーツァルトの洗練されたスタイルから衝撃的なスクリャービンの創造性まで、あらゆるピアノ作品を習得していたことによって判断できます。


アレクセイ・ニコラエフ(作曲家)

素晴らしい趣味と優れた様式美でゴリデンヴェイゼルはショパンのメロディーのリズミカルな優雅さ、彼の音楽の編み目の様なポリフォニックな性質を明快にすることができます。これらすべてが彼の演奏に独特の風格を与え、ショパンのスタイルとモーツァルトのピアニズムとのつながりを思い起こさせるのです。


1930年代の批評(発言者不明)

ゴリデンヴェイゼルのモーツァルトは、まるで一人称のように、偽りの哀れみや表面的な見せかけ無しに、深く、説得力があり、魅惑的に語りかけてきます…すべてがシンプルで自然で真実です...ゴリデンヴェイゼルの指の下で、モーツァルトのすべての多様性が生き返ります。それは太陽と悲しみ、感情と思考、大胆さと優雅さ、勇気と優しさといったものです。


ゴリデンヴェイゼルの弟子

サミュエル・フェインベルグ、グリゴリー・ギンズブルグ、ローザ・タマルキナ、タチアナ・ニコラーエワ、ラーザル・ベルマン、ドミトリー・バシキーロフ、オレグ・ボシュニアコーヴィチ、ドミトリー・パパーノ、ニコライ・カプースチン他

素朴で味わい深いショパン演奏

ショパン:マズルカ集

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