【ピアノ演奏温故知新】第2回ゲンリヒ・ネイガウス

最終更新: 2020年10月22日

【ピアノ演奏温故知新】では過去の偉大なるピアニストとその奇跡的なピアノ演奏を数多くご紹介していきます。

第2回は最高のピアニストであり教育者でもあった自分の演奏のルーツでもある自分が最も理想とするピアニスト『ゲンリヒ・ネイガウス』をご紹介します。



ゲンリヒ・ネイガウス(1888~1964)

ネイガウス

略歴

1888年ウクライナのエリザヴェトグラード生まれ。

独学でピアノを学ぶ。はとこの作曲家カロル・シマノフスキと叔父で作曲家のフェリックス・ブリューメンフェルト(ホロヴィッツのピアノの先生)から強い影響を受ける。

ショパンの孫弟子ミハウォフスキの下でも学んだとされている。

ベルリンで当時最高峰のピアニストであったレオポルド・ゴドフスキーの下で学ぶ。

1914年からエリザヴェトグラードで指導を開始。

1922年モスクワ音楽院で指導を始める。

第二次大戦中スパイ容疑(事実無根の嫌疑)でシベリアに追放される。後年この時の影響で右手に後遺症を負ってしまう。

1956年名誉回復とともにロシア人民芸術家に選ばれる。

1964年死去(享年76歳)

非常に貴重なネイガウスの演奏動画

スクリャービン:アルバムの一葉 Op.45 No.1

(使用ピアノ:ベヒシュタイン)

演奏スタイル

ネイガウスの演奏は正に『お手本』のような完璧なもので。深い洞察力、広大な知識、豊かな感性が織りなすピアニストにとってまさに理想と言える物であった。

作曲家が楽譜に書き残したものをひとかけらも残さず拾い上げ、さらに演奏者都合の余計なものは一切付け加えない演奏でネイガウスが弾くとすべての作曲家の作品が本来の美しい姿を現した。

後年はシベリア抑留の影響が演奏にも出ており技術的なほころびが聴こえるがそんなものは些細なことであるほど演奏が立派なものであった。

レパートリーは広くショパン、スクリャービン、バッハ、ベートーヴェン、シューマン、ブラームス、ラフマニノフ、ドビュッシー等全ての作曲家で素晴らしい演奏の数々を遺した。

ネイガウス自身は自分をピアニストではなく芸術家としてみなしていた。

ネイガウスの代表的名演

シューマン:クライスレリアーナ Op.16

同時代の人物による評価

アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアニスト)

技術の完璧性を重んじる愚かな人間ほど、彼の芸術性を理解できない


ヴラディミール・ソフロニツキー(ピアニスト)

『ショパンの幻想ポロネーズはゲンリヒのための作品だから私は弾きません』


ゲンリヒ・ネイガウスの門下生

スビャトスラフ・リヒテル、エミール・ギレリス、アナトリー・ヴェデルニコフ、ヤコフ・ザーク、スタニスラフ・ネイガウス(息子)、テオドール・グートマン、オレグ・ボシュニアコーヴィチ、イーゴリ・ニコノーヴィチ(自分の恩師)、イーゴリ・ジューコフ、ヴェーラ・ゴルノスタエヴァetc...

ネイガウスの真骨頂

ショパン:マズルカ 嬰ハ短調 Op.63 No.3

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