【ピアノ演奏温故知新】第6回ウィルヘルム・バックハウス

更新日:8月24日

【ピアノ演奏温故知新】では過去の偉大なるピアニストとその奇跡的なピアノ演奏を数多くご紹介していきます。

第6回はベートーヴェン直系のピアニズムを身につけた鍵盤の獅子王こと『ウィルヘルム・バックハウス』をご紹介します。



ウィルヘルム・バックハウス(1884~1969)

バックハウス

略歴

1884年ライプツィヒに生まれる。

1891年にライプツィヒ音楽院でアロイス・レッケンドルフにピアノを師事。

1895年ブラームスの前でピアノを演奏し褒められる。

1897年からフランツ・リストの直弟子であったオイゲン・ダルベールに師事。

1909年世界初のピアノ協奏曲の録音をする。演奏曲はグリーグの協奏曲。

1928年に世界で初めてショパンの練習曲を全曲録音した。

第2次世界大戦中アドルフ・ヒトラーがバックハウスのファンだったため宣伝に利用され戦後アメリカへ入国が出来なくなる。

1946年ナチスとの関係の潔白を証明するためスイスに帰化。

1954年アメリカへの入国禁止が解除される。

1966年ベーゼンドルファー社から20世紀最大のピアニストとして指環を贈られる。

1969年オーストリアのオシアッハでのコンサート中に心臓発作に見舞われる、医師にコンサートの中止を求められるも拒否しプログラムを変更しながらも演奏会をやり遂げるがその一週間後に亡くなる。(享年85歳)

バックハウスの十八番ベートーヴェン

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 作品58

(使用ピアノはベーゼンドルファー)

演奏スタイル

バックハウスの演奏は非常に端正で味わい深いです。若いころから晩年まで一貫してその場の感情に流されることなく真摯に作品に向き合いその音楽が持つ魅力を最大に引き出しています。19世紀生まれのピアニストとしては珍しくルバートに頼らずに音楽を作り上げていきます。それは若いころのショパンやシューマンやブラームス等のロマン派作品でも聴くことができ今の時代に聴いても演奏に時代の隔たりを感じることがありません。

レパートリーは徹底しておりバッハ、モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ブラームスとドイツ音楽が中心で例外はショパンだけでした。

バックハウスが亡くなる一週間前のコンサート録音

シューマン:幻想小曲集 第1曲『夕べに』、第3曲『なぜに?』

同時代の人物による評価

ベラ・バルトーク(作曲家)

『バックハウスは全く見事に演奏した。』


1912年12月12日のアメリカでのデビューコンサート時の批評

『彼の演奏スタイルは全く非凡で彼の風貌はまさにオリンポスの山から降り立った気高き神に似たものがあった。彼のテクニックは神業である。バックハウスはアントン・ルビンシュテイン、フランツ・リスト及びイグナツ・ヤン・パデレフスキーの世界3大ピアニストを一まとめにしたようなピアニストである』


野村 胡堂(作家、音楽評論家)

『難曲を難曲らしく弾くことは大抵のピアニストに出来ることだが、難曲を難曲として聴かせず、何の造作もなく弾き上げて、ただその曲の美しさを満喫させるのがバックハウスにだけ許される至芸である。』


バックハウスの格言

自身のテクニックの秘訣について

『とにかくスケールを練習しなさい。そしてバッハです。』

作曲家に認められたブラームス演奏

ブラームス:スケルツォ 作品4

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