【ピアノ演奏温故知新】第7回アルトゥール・ルービンシュタイン

更新日:8月24日

【ピアノ演奏温故知新】では過去の偉大なるピアニストとその奇跡的なピアノ演奏を数多くご紹介していきます。

第7回は20世紀を象徴するような神に愛されたピアニスト『アルトゥール・ルービンシュタイン』をご紹介します。



アルトゥール・ルービンシュタイン(1887~1982)

ルービンシュタイン

略歴

1887年ポーランドのウージに生まれる。

幼少期にブラームスの親友で大ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムに見いだされ多くの音楽的助言を得る。

1894年にワルシャワでアレクサンドル・ルジツキとイグナツ・ヤン・パデレフスキに指導を受ける。

1897年にヨアヒムの紹介でリストの高弟ハンス・フォン・ビューローとカール・タウジヒの弟子であるカール・ハインリヒ・バルトに師事。

1908年困窮と絶望と借金取りの厳しい取立てにより首吊り自殺を図るが失敗してしまう。

1910年アントン・ルビンシテイン国際コンクールで優勝する。

1936年演奏活動を中止して数年間演奏技巧とレパートリーの改善に尽くす。この年アニエラ・ムイナルスキと結婚。

1946年にアメリカ国籍を獲得。

1976年飛蚊症の影響によりロンドンのウィグモアホールを最後に演奏活動を89歳で引退。

1982年ジュネーヴで死去。(享年95歳)

ルービンシュタインがアンコールで好んで弾いた曲

ファリャ:『恋は魔術師』より 火祭りの踊り

(使用ピアノはスタインウェイ)

演奏スタイル

ルービンシュタインの演奏スタイルは普遍性を持ったもので19世紀の流儀を身に着けながら現代のピアノ演奏の源ともいえる革新的なものでした。

感傷とは無縁の堂々たる演奏スタイルでその男らしい筋骨隆々たる演奏とどっしりと構えた美しい弾き姿は正にピアニストの皇帝と呼ぶにふさわしい風格を備えていました。

特にライブでは少々芝居がかったオーバーリアクションや演奏解釈がルービンシュタインの堂々たる演奏に拍車をかけ見るものを圧倒する迫力と壮大さを生み出しています。

ルービンシュタイン自身は録音を非常に好みスタジオでの演奏はその堂々としたスタイルは多少影をひそめるものの代わりに温かく端正な歌いまわしが強く感じられるようになりライブとは別人のような演奏になります。

レパートリーは膨大なものでバロックから現代まで多岐にわたり国別にみてもドイツ、フランス、スペイン、ポーランド、ロシア、アメリカ、南米音楽とそのすべてで素晴らしい演奏を遺しました。ルービンシュタイン自身はショパン、ブラームス、シューマン、ベートーヴェンを特に大事なレパートリーとしていました。

ルービンシュタイン白熱のライブ録音

ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 作品35『葬送行進曲付き』

同時代の人物による評価


ハロルド・ショーンバーグ(音楽評論家)

ホロヴィッツはもっときらびやかなテクニックを持っているかもしれません。しかし、ルービンシュタインのようにすべてをまとめたピアニストはいない。他の人は特定の点で優れているかもしれませんが、ルービンシュタインは完全なピアニストです。


マウリツィオ・ポリーニ(ピアニスト)

『ルービンシュタインの演奏は私にとって一つの啓示、人がピアノをカンタービレで演奏して得られる美しさの啓示でした。私にとって、作曲家の観念を現実のものとする演奏をする時、人が生み出すことのできる完璧さの一つの典型でした。』


フランツ・モア(ニューヨーク・スタインウェイ専属調律師)

人は、アルトゥール・ルービンシュタインを心から愛する。それは、彼が人を大事にするからだ。彼はどんなに急いでいても人と話す時間をつくり、誠意をもって人々と話をした


ルービンシュタインと親交のあった作曲家達

サン=サーンス、ポール・デュカス、モーリス・ラヴェル

カロル・シマノフスキ、イーゴリ・ストラヴィンスキー、エイトル・ヴィラ=ロボス

パブロ・カルザス、アレクサンドル・スクリャービン、マヌエル・デ・ファリャ

フランシス・プーランク、フェデリコ・モンポウ、アレクサンドル・タンスマン

カルロス・アントニオ・デ・パドゥア・チャベス

ルービンシュタインがスタインウェイ以外を使った唯一の録音

ショパン:舟歌 作品60

(使用ピアノはブリュートナー)

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