作曲家別おすすめ楽譜紹介 第10回【ラヴェル】

最終更新: 1月24日

この記事ではよく聞かれる『●●の作曲家はどこの出版社の楽譜を買えばいいですか?』を独断で紹介します。楽譜購入の際の参考にしてください。

第10回はフランスを代表する作曲家ラヴェルを紹介!

※楽譜の画像をクリックすると販売ページに飛べるので価格チェックなどにお使いください。(一部在庫の無い楽譜はリンク無し。)


春秋社版

ラヴェル

おすすめ度:★★★★★

価格   :★★★★☆

網羅性  :★★★★☆

解説   :★★★★☆

運指   :★★★☆☆

入手性  :★★★★★


森安芳樹氏監修の春秋社版。1998年に出版されたラヴェルの決定版といえる楽譜。この楽譜の登場は正に革命といえるほどでした。複雑な作品が多くそのため誤植が非常に多かった既存のラヴェルの楽譜を徹底的に比較検証した非常に高品質な楽譜です。解説も非常に充実しており読み応え十分。運指などの演奏指示は必要最低限といった感じです。後述の全音版とは好みで使いやすいと思った方を選べばラヴェルの譜面は間違いないでしょう。

唯一の難点は楽譜の紙が真っ白なので長時間凝視していると目が疲れます。



全音版

ラヴェル

おすすめ度:★★★★★

価格   :★★★☆☆

網羅性  :★★★★★

解説   :★★★★★

運指   :★★★★☆

入手性  :★★★★★


春秋社の素晴らしい全集が発売された後、全音が春秋社とは違ったアプローチで素晴らしい楽譜を出します。三善晃監修の全音版は実用譜として春秋社に対して演奏指示が事細かく記されています。金澤希伊子と海老彰子の二名が運指とペダリング、演奏解説を行っており非常に充実しています。楽曲解説も非常に専門的で音楽理論を理解していないと内容を理解するのが難しいほどですが詳細に分析されており勉強になります。

ただし個人的に必要以上に指示が多く楽譜が非常に煩雑で見づらく感じます。


ペータース原典版

ラヴェル

おすすめ度:★★★★☆

価格   :★☆☆☆☆

網羅性  :★★★★★

解説   :★★★★☆

運指   :★★★☆☆

入手性  :★★☆☆☆


ドイツの老舗楽譜メーカーであるペータースが近年出版した数少ないラヴェルの原典版。春秋社と全音版が譜読みしやすいように演奏指示が書かれているのに対しこちらはラヴェルの書いたものだけです。本格的にラヴェル研究をするのであれば持っておくことをお勧めします。しかしながら上記二つの出版社に比べると解説は物足りなく感じるし日本語での解説は当然ありません。実用譜としては正直劣ります。基本ピース販売になっており曲単価は非常に高価です。





デュラン版、マックス・エシグ

ラヴェル

おすすめ度:★☆☆☆☆

価格   :★★☆☆☆

網羅性  :★★★★★

解説   :★☆☆☆☆

運指   :★☆☆☆☆

入手性  :★★★☆☆


こちらはラヴェルの作品を作曲家存命時から出版している出版社のデュラン版です。マックス・エシグ版は現在デュラン社と合併しており同一出版社となっています。一昔前まではこの出版社しか選択肢がなかったので仕方なく使っていました。フランスの出版社特有の(価格が)高く(製本が)粗悪で(誤植が)多い最悪の楽譜です。現在国内ライセンス版で製本だけが良くなったものが手に入りますが春秋社や全音版を使わずにこの譜面を使う理由を見出すことは自分にはできません。




音楽之友社版(ペルルミュテール校訂版)

ラヴェル

おすすめ度:★★★★★

価格   :★★☆☆☆

網羅性  :★★★☆☆

解説   :★★★★★

運指   :★★★★★

入手性  :★★★★☆


ラヴェル最後の弟子であるピアニストのペルルミュテールが校訂した楽譜になります。作曲家直伝の演奏ヒントが多く書かれており非常に価値があります。底本にデュラン版を使っておりますが明らかな誤植は校訂者により修正されています。楽譜に青文字で校訂者の書き込みが多くあり直感的で非常に分りやすいです。しかしとんでもなく譜面が煩雑でまるでレッスンで大量に書き込みされた後の譜面みたいです。正直実用にはまるで向きませんあくまでも2冊目として購入することをお勧めします。


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