この記事ではよく聞かれる『●●の作曲家はどこの出版社の楽譜を買えばいいですか?』を独断で紹介します。楽譜購入の際の参考にしてください。
第3回は音楽の父である作曲家J.S.バッハを紹介!
※リンクをクリックすると販売ページに飛べるので価格チェックなどにお使いください。
ヘンレ版
おすすめ度:★★★★☆
価格 :★★★☆☆
網羅性 :★★★★★
解説 :★★★☆☆
運指 :研究者により質は様々
入手性 :★★★★★
超定番のヘンレ版です。取り合えずこれを買っとけば問題ないと思います。解説は必要最低限で英、独、仏の三か国語のみです。運指は曲集により質がまちまちですが平均律クラヴィーア曲集でのアンドラーシュ・シフが編集したものは自分には合いませんでしたが参考になります、他の研究者のものは平均的。ヘンレ版は入手も容易く価格も国内版の原典版楽譜よりちょっと高い程度で収まります。
・インベンションとシンフォニア ・平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第2巻
ベーレンライター版
おすすめ度:★★★☆☆
価格 :★★★☆☆
網羅性 :★★★★★
解説 :★★★★☆
運指 :★☆☆☆☆
入手性 :★★★★☆
作曲者の書いたもの以外何も書かれていない真の原典版。異稿のある作品では異稿も収録されており曲の変遷を見ることが出来ます。運指も一切ないので自分で考える人向け。上級者で譜読み用のベースとしてなら何も書かれていないので非常に使いやすいです。一部の曲は全音楽譜出版社からライセンス販売されており解説を日本語で読むことが出来ます。
・インベンションとシンフォニア ・平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第2巻
ウィーン原典版
おすすめ度:★★★★★
価格 :★★★☆☆
網羅性 :★★★★☆
解説 :★★★★★
運指 :★★★★☆
入手性 :★★★★☆
上記2社同様、非常に安定した品質の優れた楽譜になります。
個人的には解説が日本語で読める分ウィーン原典版の方がヘンレ版よりお勧めできます。国内版のわりに価格が割高なのがネックですがそれ以外特にこれといった弱点が見当たりません。
装丁も国内ですので非常にしっかりしておりヘンレ版のように使い込むうちに背表紙が崩壊することもありません。
運指に関しても平均的で過不足なく使えると思います。
・インベンションとシンフォニア ・平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第2巻
全音原典版
おすすめ度:★★☆☆☆
価格 :★★★★★
網羅性 :★★☆☆☆
解説 :★★★☆☆
運指 :★★★☆☆
入手性 :★★★★★
数こそ少ないですが全音にも原典版はあります。
正直国内版の楽譜としては日本語で読める充実した解説を期待したいところですが拍子抜けするほど淡白な解説が掛かれているだけです。運指も月並みです。
個人的には同じ全音から出ている市田儀一郎先生の解説本を買って他の出版社の楽譜で勉強することをオススメします。
正直価格以外にお勧めできる内容はありません。
音楽之友社原典版
おすすめ度:★★★★★
価格 :★★★★★
網羅性 :★★☆☆☆
解説 :★★★★★
運指 :★★★☆☆
入手性 :★★★★★
こちらも若干ではありますが原典版が出版されています。
こちらは上でご紹介した全音版に比べると解説の内容で圧倒的に優れています。
特に学習者御用達のインベンションとシンフォニアは学習者が使うには非常にいい楽譜だと思います。
運指は自分としては納得感が低いのですが恐らくこの指使いが合う方もいるかとは思います。
値段に対して中身が優れており学習者にお勧めできる楽譜になっています。
ブライトコフ社ブゾーニ校訂版
おすすめ度:★★★☆☆
価格 :★★★☆☆
網羅性 :★★★★☆
解説 :★★★★★
運指 :★★★★☆
入手性 :★★★★☆
19世紀末の偉大なピアニストで作曲家であるブゾーニが校訂したもの。
楽譜の内容は前時代的ないわゆる19世紀的なバッハ観になっているのでスラーや速度記号、強弱等が付け足されておりそれらの情報が邪魔をして使いづらく一冊目としての使用はお勧めしません。しかし楽曲解説が素晴らしく充実しておりこれを読むためだけに買う価値はあります。
インベンションとシンフォニアだけ国内版が出ています。
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