
作曲家別おすすめ楽譜紹介 第7回【シューマン】
更新日:2020年12月14日
この記事ではよく聞かれる『●●の作曲家はどこの出版社の楽譜を買えばいいですか?』を独断で紹介します。楽譜購入の際の参考にしてください。
第7回は文学的な作品が魅力的なシューマンを紹介!
※楽譜の画像をクリックすると販売ページに飛べるので価格チェックなどにお使いください。(一部在庫の無い楽譜はリンク無し。)
ヘンレ版
おすすめ度:★★★★☆
価格 :★★☆☆☆
網羅性 :★★★★★
解説 :★★★☆☆
運指 :★★★★☆
入手性 :★★★★★
安心と信頼のヘンレ版です。非常に堅実な楽譜で使い勝手も良いです。
解説は可もなく不可もなくの量、運指も平均的でこれといった発見は出来ません。
網羅性はシューマンの作品に関しては最も優れておりピース形式の楽譜でも主要作品がほぼ揃うのもうれしいです。
原典版の譜面で全作品を揃えたいのであればヘンレ版一択になります。
しかしピースで弾きたい作品だけを弾くならば他の出版社の譜面の方が使いやすいかもしれません。
ウィーン原典版
おすすめ度:★★★★★
価格 :★★☆☆☆
網羅性 :★☆☆☆☆
解説 :★★★★★
運指 :★★★★☆
入手性 :★★★★★
ウィーン原典版は少数ではありますがシューマンの作品を出版しています。
非常に優れた解説と校訂報告が日本語でされておりこれを読むだけでも買う価値があります。
楽譜自体は非常にオーソッドクスなものでベースの楽譜としても使いやすいと思います。
ただし最大の難点は網羅性の悪さになります今後の出版計画に期待です。しかし弾きたい作品が出版されていれば第一候補になるほど良い楽譜です。
ペータース版
おすすめ度:★★☆☆☆
価格 :★★☆☆☆
網羅性 :★★★★☆
解説 :★★★★☆
運指 :★★★☆☆
入手性 :★★☆☆☆
こちらも定番のペータース版ですが正直なところ他の出版社の譜面に対して古さを感じます。
解説は独、英の2か国語だけですがなかなかしっかりしたものになっています。
基本ピース譜だけですが網羅性もなかなか充実しています。悪い点としてはペータース版は印刷の質が悪く譜面が見づらく感じます。
結論で言えば価格面、内容面、網羅性でヘンレ版に劣っておりわざわざペータース版を率先して選ぶ理由が自分には見出すことが出来ません。
ブライトコフ版(クララ・シューマン校訂版)
おすすめ度:★★★★★
価格 :★★☆☆☆
網羅性 :★★★★★
解説 :★★★★★
運指 :★★★★☆
入手性 :★★☆☆☆
シューマンの楽譜でこれ以上優れた校訂者はいないでしょう。シューマンの伴侶でありシューマンの作品を最も作曲家に近いところで弾いてきたクララの助言や校訂は原典版では絶対にうかがい知ることのできない当時の演奏習慣と作曲家の息吹を強く感じることが出来ます。
原典版ではないのでクララによる改訂や加筆が行われていますが作曲家の自筆譜にも匹敵する価値であるものだと思います。シューマンを真剣に勉強するのであれば避けては通れない楽譜です。
一部作品は日本語版があります。