モデル名:エラール モデル名 model. No.33(133㎝)
製造年:1930~40年頃製
製造国:フランス パリ製
張弦方法:交差弦 通常張弦
フロント側:低音~次高音 アグラフ、高音 カポダストロバー
ピン仕様:総鉄骨
アクション仕様:ダブルエスケープメントアクション(エラール製)
ペダル:2本
鍵盤:88鍵(白鍵:プラスチック 黒鍵:黒檀 )
外装:ウォルナット
動画URL:https://youtu.be/yA66uhmTDAo(2022年9月7日公開)
撮影協力:ピアノプラザ群馬様 https://www.pianoplaza.com/
今回も前回同様エラールですが一世紀の進化を楽しんできました。 今回のエラールは第44回のガヴォー と同じコンセプトのベビーグランドのエラール版になります。 当時のフランスではパリの小さなアパートメントにぴったりなベビーグランドを各メーカーが力を入れて開発していました。それはプレイエルのH型(130㎝)、ガヴォーのT型(133㎝)、そしてこのエラールの33型(133㎝)となります。 各メーカーで小型ならではの様々な工夫がみられるのですが特にこのエラールではその特徴が顕著に出ています。 その設計の特異性はほぼ同年代の第18回のエラール と見比べてみればその違いは歴然。特に高音部の設計に大きな差が見られこのNo.33はアグラフの代わりにカポダストロバー、そしてヒッチピン側は一本張りではなく折り返しで弦が張られていて小型ボディを無駄なく鳴らす工夫が見ることができます。 弾いてみると音色はアルパのような柔らかさとエラールらしい色気を感じることができます。アクションはハンマーが交換されているせいか若干重さを感じますが慣れれば弾きにくさを感じることはありません。やはり平行弦時代のエラールに比べるとモダンピアノの趣が強いですがエラールらしさは十二分に感じることが出来ます。 音の持続が長く綺麗に混ざり合うのでダンパーペダルは控え目に使いタッチを持続させることでこの楽器の良さを引き出すことが出来ます。 音色のコントロール性は非常に素晴らしく非常に楽しい楽器でした。
『ピアノプラザ群馬様』貴重な楽器を十分に楽しませていただきありがとうございました。
フランスピアノとしてはシンプルな見た目。フランスピアノでは透かし彫りの無い譜面台は逆に珍しい。
美しいエラールのロゴマーク。
エラールとしては恐らくこのモデル限定のカポダストロバーと通常調弦の組み合わせ。
エラールとしては希少種の交差弦。フレームの基本設計もこの小型モデルだけは他のモデルと全く違う。
プレイエルのモデルH型同様支柱は無い。その点は支柱のあるガヴォーのT型と違う。
低音弦側の駒。
響板のデカール。何から何まで違う小型グランドだがデカールは共通。
シンプルなペダル。ヨーロッパのピアノはこの年代でも二本が標準。
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